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あまり読書をしなかったわたしにも、好きな本はあって。
辻村深月作品。
この人の紡ぐ言葉は、やばい。
目から文字が入って、血液のように心臓を廻って、脳神経に直接繋がっていく。
そして、没頭し過ぎて本当に息が止まるから、
殺されるんじゃないかと思う時がある。
だけど絶望がない。
深海の底の、底の、底から、
もがいてもがいて海面に出ると、
光いっぱいの青空があって、
その美しさに、感嘆と、疲弊をする。感じ。
自分の、皮膚の1番薄い部分を曝け出して、
ナイフでドスンと、突き付けられる。
その等価交換のように得られるのは、
求めて止まなかった希望だったりする。
軽はずみじゃない、簡単な言葉に、
わたしは本当に救われたことがある。
『いつか、大丈夫になる』
泣いた。
欲しかった言葉だった。欲しかった根拠だった。
この人の文字の中の世界に、頭の先までドップリ浸かる幸せを、久しぶりに感じたいな。
始まりを忘れない
【はじめましてのご挨拶】
嘘でも本当でも、
見栄でも虚勢でも、
言葉を並べてもいいと思う。
言葉には力があって、
それは心を抉りとって、
その瞬間は、時に虚しくて、時に快感で、
忘れたくなくても、残酷にいつか終わるし、
忘れたくても、時間は優しく過ぎていく。
"子供"の感性を忘れたわたしの、
必死に、すがりつくように求めた感覚の、リハビリの場として。
naitsu